机上査定と訪問査定の違い
Ｑ：机上査定と訪問査定はなにが違うのですか？
「査定」とは、売却を検討している住まいをいろいろな角度から調査し、それをもとに査定金額、つまり“売却予想価格”を導き出してもらうことで、不動産会社に依頼します。査定には大きく「机上査定」と「訪問査定」の２種類があります。それぞれの違いやメリット、デメリットについてご説明しましょう。
手軽に依頼できる「机上査定」
まず、「机上査定」についてご説明します。机上査定は、その名の通り、物件を実際に見ないで行う査定です。インターネットで手軽に依頼できる「一括査定サービス」を見たことがあると思います。早く、手軽に見積もりが取れるのが机上査定のメリットです。
机上査定では、依頼を受けた不動産会社が、土地の面積や建物の築年数、立地などをベースに、公示価格や路線価、近隣の類似した物件の取引事例などの情報を参考にしながら、査定金額を見積ります。そのため、不動産会社によって売却予想価格にバラつきが出るのが特徴です。
実際の土地や建物を見ないで正確な売却予想価格を算出するのはプロの不動産会社でも難しいこと。したがって、1社だけの査定金額では、それが安いのか高いのかが判断できません。そこで「一括査定サービス」などを利用して、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定金額を比較したほうがいいでしょう。
複数の査定金額を比較すれば、大まかな相場が見えてくるはず。机上査定のポイントは、複数の会社に依頼することです。このとき、有名な大手の会社だけでなく、地域密着の会社や新しい会社、小さな会社など、いろいろなタイプの不動産会社に依頼することをお勧めします。
机上査定で不動産会社を絞り込む
机上査定は、一括査定サイトで必要項目を入力したり、電話1本で気軽に査定金額を見積もってもらえるものです。そのため、実際の売却までに時間の余裕がある場合や、売却を依頼する不動産会社を絞り込みたい場合、また、「住まいのいまの価値を知っておきたい」など売却に向けた準備のために利用するのが向いています。
机上査定を数社に依頼してみると、不動産会社それぞれの特徴や得意としていることがわかってくるはずです。査定の結果とあわせて各々の不動産会社の特徴を織り込みながら、2〜3社に絞り込みます。これは「訪問査定」を依頼するためです。あまり多くの不動産会社に訪問査定を依頼すると対応に苦心しますし、混乱を招く元にもなってしまいます。比較検討は多くても３社程度にとどめておいたほうが無難でしょう。
一方、売却までに時間的な余裕がなく、不動産会社が「手続きを早く進めたほうがいい」と判断した場合、机上査定を飛ばして「訪問査定」を勧めてくるケースもあります。
実際の土地・建物を詳しく調べる「訪問査定」
不動産会社の担当者が物件を訪問して査定を行うのが訪問査定です。実際に現地へ足を運んで土地・建物を調べるため、査定の精度が上がります。同じ不動産会社の査定なら、机上査定と訪問査定の査定金額に極端な違いが出ることはありません。しかし、物件の状態や周辺環境が相場と大きく異なっていた場合、違いが出ることもあります。
現地に足を運んでみて初めてわかる情報を的確に織り込んだ上での見積もりが可能なのが訪問査定です。たとえば、ストリートビューの車が入っていけないような私道に面した物件や、裏に山があったり、建物が建てられる面積が少ないなど、実際に見なければわからない情報を査定に生かせるため、精度が高くなるのがメリットです。一方、机上査定より時間がかかることや、不動産会社の担当者との対応が必要なことなどがデメリットと言えるでしょう。
まとめ
机上査定と訪問査定は、売主様の売却のタイミングに適した方法を選ぶことをお勧めします。また、実際の売却金額は販売活動に入ってみないとわかりません。思っていたような反応が得られず、査定金額より値引きしなければならないケースもあれば、想定していた金額より高く売れるようなうれしいケースもあるからです。
住まいの査定について不安なことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
