高預かりに気を付けよう!不動産売却の怖い話
しかし売主の心理を逆手にとって媒介契約を結ぼうとする不動産売却会社もいます。
今回は不動産業界で話題になっている高預かりについてご紹介いたします。

要注意!高預かりとは
高預かりは不動産売却会社が到底売れないであろう高額な査定額を売主に提示して媒介契約を結ぼうとするものです。
不動産売却において売主個人が買主を見つけて売買する個人売買をするケースは少なく大半は不動産売却会社と媒介契約を結ぶことになります。
売主は数多くある不動産売却会社からご自身にあった会社を探して媒介契約をします。
その時に媒介契約を検討している不動産売却会社から高額な査定結果が届いたらどうでしょうか?
売主から見れば不動産を高く売ってくれるならと媒介契約を結ぶ方が多くいらっしゃいます。
問題なのは不動産売却会社が提示している査定額が現実的に売れるはずのない金額となっていることです。
不動産売却会社からすれば媒介契約をなんとしても結ぼうとして相場からあまりにもかけ離れている査定額を提示して強引にでも媒介契約を結ぼうとする行為を高預かりと言います。
高預かりをされてしまうと最終的には不動産売却会社が全く売る気が無くずるずると媒介契約が続いてしまう
もしくは当初売主が想定している金額(高預かりの金額)を大幅に下回る金額で不動産を売却することにもなりえます。
不動産売却会社から提示される査定額が周辺価格や相場価格よりも大幅に高い場合には何か実績や根拠があるのか冷静に見極める目を持ちましょう。
高預かりの事例
CASE 1
不動産売却を急いでいたAさん
売却を急いでおりいくつかの不動産売却会社に相談するとある会社が査定に来てくれてそのまま話がスムーズに進みました。
不動産売却会社から提示された査定額は事前にAさんが調べていた相場よりも大幅に高い金額でした。
プロにまかせればこんなにも高い金額で売れるんだと感心したAさんは早く売却したかったためこちらの不動産売却会社と媒介契約を結ぶことに。
しかし一向に売れる気配はなくそれ所かまともに売却活動をしている形跡もありません。
しばらくすると不動産売却価格を下げようという提案があり結局は当初Aさんが調べた相場価格よりもダウンした金額で売却することになりました。
CASE 2
一括査定サイトのみで媒介契約を結んだBさん
少しすると不動産売却から査定が届き1社だけ他社よりも高額な査定金額を提示した会社がありました。
お問い合わせしてみると営業担当者の方から「絶対にこの金額で売れます」「今やらないと損ですよ」と伝えられ査定金額も高かったため、勢いに押される形でそのまま媒介契約をすることに。
Aさんと同じく当初の査定金額では売れずそのままずるずると値下げが続き周囲からは売れない不動産と見なされて評価が下がる結果に。
POINT
高預かりの罠にハマってしまう方の共通点
相場よりも高い査定金額を提示されて嫌がる人はいませんよね。
問題なのはその高い査定金額に根拠があるのかです。
今までの実績がある、買主を見つける手段がある、不動産の隠れた良さを引き出せるなど相場よりも査定額が高くなっていることに合理的な理由があれば全く問題ありません。
しかし問題は査定金額に全く根拠がなく、単に媒介契約を結びたいが故に提示している高預かりの状態が問題なのです。
高預かりにあってしまったお二人に共通しているのは不動産売却会社から提示される査定金額のみに注目してしまったことです。
初めての不動産売却であれば査定金額に注目するのは自然なことでそれ自体は全く問題ありません。
注意したいのはなぜその査定額になっているのか?合理的な根拠はありそうか?を見極める冷静さが大切になってきます。
不動産売却会社を比較する際は査定額だけを見て決めるのではなくなくどんな会社か?信頼できる不動産売却会社か否かがとても重要になってきます。
【信頼できる不動産売却会社の特徴や見分け方・探し方と役割とは】ページもご参考ください。
なぜ高預かりをするのか
高預かり自体はある意味リスクの高い行為です。
売れないと分かっているにも関わらず高額な査定額を提示して売主と契約するのですから媒介契約後のトラブル等も考えられます。
そんなリスクを取ってまでなぜ高預かりをするのでしょうか?
昔と違い今は不動産売却会社の数も多くなりました。
さらに一括査定サイトの様にネット上で簡単に複数社に査定を依頼することが出来ます。
そのため売主もまずは一括査定サイトを使ってみようという方も多く、一昔前と比べて不動産売却会社同士の競争も激化してきました。
そこで競争から一歩抜け出すために他社よりも相場価格よりも高額な査定額を提示することで売主の目を引き媒介契約に持って行こうという高預かりの行為が発生しています。
高預かりで媒介契約した後のリスクよりも、売主との媒介契約が0の方が不動産売却会社にとっては痛手となるため高預かりが横行しており
丁寧に売主のことを考えた査定金額を出している不動産売却会社が報われない正直者が損をする構造になりつつあります。
高預かりをする不動産売却の特徴
ここでは高預かりをする会社の特徴をご紹介いたします。
POINT 1
営業担当者が売主にとってのメリットしか言わない
どんな不動産売却会社にも得意不得意があり、できること・できないことがあります。
売主のために正直に「○○の地域に特化しているが、××の地域には弱い」「マンション・アパートは得意だが一戸建ては多少苦手としている」など
メリット・デメリットを伝えてくれる不動産売却会社は信頼できますが、営業担当者や会社がメリットしか言わない場合は売主のことを考えていないこともあり媒介契約を取るために高預かりを取るケースもあります。
POINT 2
高額な査定額などの根拠が曖昧で教えてくれない
しかしその査定額になった根拠が曖昧だったり、そもそも教えてくれない会社は要注意です。
なぜその査定額になったのか、大切な不動産だからこそ根拠をきちんと説明してくれる不動産売却会社とお付き合いしましょう。
POINT 3
自社の利益しか考えていない
売主のことを考えずとにかく媒体契約を結ぶことや成約することを第一として売主の希望額をはるかに下回る金額で成約するなど自社の利益しか考えていない会社も高預かりをする傾向にあります。
高預かりをする不動産売却会社との契約を防ぐには
基本的には信頼できる不動産売却会社の見分け方と同じ様に売主側でも気を付けられるポイントがいくつかありますので、いくつかポイントをご紹介いたします。
POINT 1
不動産価格の相場を知ること
売主自身が相場観を知らずに査定依頼をしている会社が1社だけなのであれば、査定額が妥当か否かの判断が付きません。
提示された高額な金額も「この金額で売れるんだ」と思ってしまい高預かりにハマってしまうこともあります。
しかし売主が相場観を持っていればどうでしょうか。
「この不動産に対して査定額はあまりにも高額で現実的に売るのは厳しいのでは?」と高預かりされている可能性も察知できます。
ご自身の身を守るためにもある程度不動産についての相場を知ることが大切です。
POINT 2
いくつかの会社を必ず比較すること
どの不動産売却会社も根拠を持って査定額を出しています。
その中であきらかに高額な査定額を提示している会社があれば高預かりの可能性もあります。
いくつかの会社を比較することで不動産の査定額の相場も自然と養われます。
POINT 3
営業担当者が正直にメリット・デメリット、強み弱みを伝えてくれるか
どんな会社であれ必ず強み弱みが存在します。
売主にとって良いことばかりを伝えるのではなく例えば「この金額では売れない可能性もあります。」など売主の立場に立って現実的な提案をしてくれるかも見極めたいポイントの1つです。
POINT 4
口コミや過去の実績も参照する
しかし必ずと言っていいほど売主側は不動産売却会社に不満を持ち周囲の人に「あそこの不動産売却会社は気を付けた方が良いよ」など口コミが広がり営業にも支障が出るでしょう。
そのため長く地元の人に愛され継続出来ている会社であればある程度安心と言えますし出来れば過去の実績なども参考にしてみましょう。
POINT 5
高額な査定額が即高預かりというわけではありません
例え高額な査定額だったとしても、その金額に明確な根拠があり売主が納得できる理由であれば問題ありません。
その査定額になった理由や売却の方針をきちんと説明してくれる不動産会社であれば安心できます。
査定額だけを見るのではなく営業担当者や会社がどういった売却戦略を考えているのか、そして何より信頼できる方であるか否かを見極めましょう。
極端に高い査定額を提示して媒介契約を取ろうとは思っておらず現実的に考えた中で売主にとって一番最適なご提案をいたします。
長年地域で活動してこれたのも誠実なご提案に徹底してきたからこそ。
過去に高預かりで悩んだことがある売主の方も安心してご相談くださいませ。